アーミッシュ

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アーミッシュのお話

ステラおばさんの故郷ペンシルバニア・ダッチカントリー。
ここには、聖書の教えに忠実にしたがって生きるアーミッシュと呼ばれる人々が暮らしています。
アーミッシュが守っているのは、宗派の教えだけでなく、アメリカ人の心の故郷なのかもしれません。

アメリカ人の「心の故郷」
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ダッチカントリーは、ペンシルバニア州東部の町ランカスターを中心とする田園地帯の呼び名です。17世紀に、宗教迫害を逃れてきたドイツ系開拓移民が住みついた土地です。ドイツ系移民の土地なのにオランダ人の土地を意味する「ダッチ」カントリーと呼ばれているのは、ドイツ語でドイツ人を意味する「ドイッチェ」という言葉を、昔、誰かが「ダッチ」と聞き間違えたからです。


このダッチカントリーに、聖書の教えに忠実にしたがって生きるアーミッシュと呼ばれる人々が暮らしています。彼らはまるで、時代が変化したことに気付かないかのように、いまも入植当時と変わらぬ暮らしを続けています。でも、入植当時は、誰もが彼らと同じように暮らしていました。テレビも電話も自動車もない時代です。畑は馬に引かせる耕作機で耕し、町へは馬車で出かけ、井戸から水を汲み、ランプやロウソクの下で夕食をとり、冬はストーブで薪をたきました。アーミッシュの人々は、その暮らしを今も守っているのです。
その暮らしぶりは、「プレーン」と表現されることがあります。何も飾らず、何も付け加えない、あるがままの暮らしという意味です。アーミッシュの人々は、不便さを求めて暮らしているわけではありません。ただ、プレーンに、あるがままに、自分を飾らず暮らしていこうとしているだけなのです。そしてそれが、いつの間にかもっとも手間のかかる暮らしになってしまいました。


モノトーンを基調とした無地の生地の服装。風車や水車の見える家々。路上に残る馬車の轍(わだち)。遠く聞こえる馬のいななき。そんな暮らしが今も残るダッチカントリーは、別名アメリカのホームカントリーとも呼ばれています。アーミッシュの人々が守っているのは、宗派の教えだけでなく、アメリカ人の心の故郷なのかもしれません。

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